パパの出張簿記講座 3級Q&Aデータベース







分類 「第7章  債権・債務」

【No015】「貸倒引当金の取崩し」 

質問者 rootさん 質問日  2004/10/05 07:38  回答者 めぐめぐさん 井上ファミリーパパ

質問
メルマガによりますと、次期に繰り越した債権が貸し倒れになった時のみ貸倒引当金を取崩す様になってきていると理解しました。
試験での出題はないということですので、現状では当期発生でも繰り越しでも同じように引当金を取り崩す回答でよく、新問題が出題された場合はその旨問題文に記述があると思っていてよいのでしょうか?

ところで、この様に処理するということは、回収不能になった債権はいきなり貸倒引当金に仕訳することはなく、まずは貸倒損失として仕訳(計上)し、これを繰り越して次期に回収不能が確定的と判断された時点で初めて貸倒引当金に仕訳して償却するという処置になるのでしょうか?

回答(めぐめぐさん)
現段階では試験には出ていませんが「貸倒引当金」の意味が”前期末までの売掛金に対して設定されたもの”である以上、当期の売掛に対する貸倒れは「貸倒損失」で処理するべきだと思います。
”いままでの3級レベルではそこまでは要求していなかったけれども今後、出題されれば(注釈がなくても)そのように処理すること”とパパ様はおっしゃっていると受け取りました。

また、私の持っている参考書(パパ様推奨のものではありません。それ以前に買っていたものなのでもったいなくて使っています)には”貸倒れの処理は売上債権が当期のものであれば全額、貸倒損失になり、前期のものは貸倒引当金を充当することになります。したがって前期か当期かの確認をしっかりと行ってください”とかいてあります。

また、前期に貸倒れとして処理した債権を当期において回収できた(ラッキーな?)ときは、「償却債権取立益」(収益)となるそうです。

質問
めぐめぐさん、ありがとうございます。

貸し倒れ発生−>貸し倒れ損失
貸し倒れ損失として償却−>来期取り立てられれば償却債権取立益となる
貸し倒れるとは思ってないとき−>来期へ債権繰り越し
繰り越したものが貸し倒れ−>貸倒引当金取り崩し
という事でしょうか?

これまでは無条件に引当金処理していましたので面食らったのでした。

回答(井上ファミリーパパ)
従来の3級の処理と、前期と当期を分ける処理の違いを整理してまとめてみましたので参考にして下さい。

1 決算で期末の売掛金に対して貸倒引当金を設定します。期末の売掛金にたいして実際に貸倒れになるのは翌期ですが、当期の収益を得るための犠牲額なので貸倒れの見積額を当期の費用(貸倒引当金繰入勘定)にします。


2 前期から繰越した引当金が貸倒れになりました。これについては、既に前期の決算で貸倒額を見積り引当金を設定(前期に費用として計上済み)していますので引当金を取り崩します。前期の見積りがあっていれば、引当金の残高はゼロになりますが、現実には不可能です。前期見込んだ以上の貸倒れが起こった場合は、やむを得ないので当期の費用にします。
仮に1000円の引当金の繰越があり、前期から繰越された売掛金1100円が貸倒れになった場合、100円は貸倒損失(費用)になります。
(借)貸倒引当金 1,000 (貸)売掛金 1,100
  貸倒損失   100


3 当期に発生した売掛金については、引当金は設定されていません。当期の費用です。当期に発生した売掛金500円が貸倒れになった場合、この段階で引当金の残高がある場合でも全額、当期の費用(貸倒損失)として処理します。
(借)貸倒損失 500 (貸)売掛金 500


4 本来は前期から繰越された売掛金と当期に発生した売掛金は上記2・3のように分けて処理しますが、貸倒引当金の残高がなくなるまでは引当金を取崩し、残高がなくなったら貸倒損失として処理する簡便法も認められています。現金取引が中心の小規模な企業では、本来の厳密な管理は手間がかかるだけでメリットは少ないと考えられます。いままで3級は、この簡便法で出題されていました。
この場合、「前期に発生した売掛金100円」「当期に発生した売掛金100円」ではなく「売掛金100円」と出題されます。簡便法で処理するか、前期と当期を区分する本来の処理で解答するかは、売掛金の前に「当期」「前期」の冠があるか否かで判断できます。


5 償却債権取立益はrootさんのまとめのとおりです。

お礼(めぐめぐさん)
とてもよく理解できました。ありがとうございました。

お礼(rootさん)
おかげさまで理解が深まりありがとうございました。
日商簿記検定104回の第3問の資料U(5)dが、これに関連のある表現でした。

「得意先の倒産による売掛金の貸倒高(全額前期販売分)」



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