パパの出張簿記講座 2級工簿商簿Q&Aデータベース







分類 「第5章 特殊な原価計算」

【No003】「製造間接費配賦差異」 

質問者 ぱんださん 質問日 2004/02/18 19:36  回答者 キタロウさん
 井上ファミリーパパ

質問
以下の問題について解答をみてもピンときません。
教えてください。

<問題>
 以下の資料から全部原価計算の損益計算書を作成しなさい。なお、製造間接費は予定配賦(正常配賦)している。製造間接費配賦差異は当期の売上原価に賦課すること。

<資料>
製造原価
 変動製造原価(製品単位あたり)       1,000円
 固定製造間接費
  期間総額               2,400,000円
  製品単位当り(正常生産量1,000個)     2,400円
生産・販売数等
 期首在庫量   0個
 当期生産量 1,200個
 当期販売量  800個
 期末在庫量  400個

<解答>
売上原価の計算
@変動製造原価
 @1,000円×800個=800,000円
A固定製造間接費
 @2,400円×800個=1,920,000円
原価差異の計算
 全て製造間接費操業度差異
 @2,400×1,200個(生産量)-2,400,000=480,000円

回答(キタロウさん)
ぱんださん、こんばんは。

U 売上原価
 1.期首製品棚卸高          0
 2.当期製品製造原価    4,080
               ──────
       計       4,080
 3.期末製品棚卸高     1,360
               ──────
      差 引      2,720
 4.製造間接費配賦差異     △480  2,240
                ────── ──────
   売上総利益               *,***


      製造間接費                  仕 掛 品
┌───────┬───────┐      ┌───────┬───────┐
│       │       │      │       │       │
│ 実際発生額 │ 予定配賦額 │      │ 予定配賦額 │ 当期完成額 │
│       │       │      │       │       │
│  2,400│  2,880├──┐   │変:1,200│       │
│       │       │  │   │       │  4,080├─⇒製品勘定へ
└───────┤       │  └──⇒│固:2,880│       │
        │       │      │       │       │
        └───────┘      └───────┴───────┘

損益計算書と勘定連絡図は↑の通りとなります。

今回の問題は、予定配賦率(1個当たり3,400円)で仕掛品勘定の借方に記入されます。
そして、仕掛品勘定の借方に記入される相手科目はどうなっているのかを考えますと、
変動費:理解し易くするために、「直接材料費」と考えてください。(全部原価計算には変動費・固定費
    という概念はありませんので)
固定費:「製造間接費」(機械の減価償却費・定額法)と考えてください。

直接材料費については、今回の問題では配賦差異については一切触れられていないので、実際=予定と解
釈する。

製造間接費については、上記勘定連絡図の通り、実際≠予定であったことになり、
減価償却費(定額法)は生産量に応じて増減するものではないので、1年間で2,400,000円発生しますが、
仕掛品へ配賦するときに1,200個×2,400円=2,880,000円が予定配賦されていますので、差額480,000円分
多く売上原価が表示されてしまうことになります。
この調整をするのが「原価差異(固定費調整)」ということになり、解説でいう操業度差異は、予定して
いたものより、多く生産できた(今回の場合)又は少ないものしか生産できなかったという意味になりま
す。

試験まで残りわずかとなりましたね。体調を崩されないよう頑張ってください。

質問
キタロウさん、ご丁寧にありがとうございます。

@予定配賦時になぜ販売量に単価を掛けて算出するのか
A原価差異は生産量に単価を掛けたものから期間総額を引くのか
という基本的な部分が分かりません。

全部原価計算の場合は売上原価には販売量にかかる原価がかかるためということで@は理解できます。
原価差異は実際額との差異のはずなのに、それが生産額×単価−期間総額となるのが??なのです。

お手数をおかけしますが、教えてください。

工業簿記も商業簿記も1サイクルしか学習できなかったので苦手と思っているところをポイントを絞って復習していて、不明点がこんな時期に出てきてしまって・・・。
体調を壊さない程度にがんばります。

回答(キタロウさん)
ぱんださん、こんばんは。

     製 品(予定配賦)           製 品(実際配賦)
┌───────┬───────┐   ┌───────┬───────┐
│       │       │   │       │       │
│ 当期完成額 │ 当期売上原価│   │ 当期完成額 │ 当期売上原価├─⇒売上原価勘定へ
│       │  2,720│   │       │  2,400│
│       │       │   │       │       │
│       ├───────┤   │       ├───────┤
│  4,080│ 期末棚卸高 │   │  3,600│ 期末棚卸高 │
│       │  1,360│   │       │  1,200│
└───────┴───────┘   └───────┴───────┘

最初から、実際配賦をしていたのであれば、製品勘定は↑の右側の通りになります。
当期完成額:変動費1,000円×1,200個+製造間接費2,400,000円=3,600,000円
売上原価:3,600,000円×800個÷1,200個=2,400,000円
期末製品棚卸高:3,600,000円×400個÷1,200個=1,200,000円

これに対し、予定配賦で計算した結果は、左側の通りになります。
製造間接費が実際には2,400,000円しか発生していないにも係わらず、2,880,000円発生したこととなって
おり、その結果、売上原価が320,000円・期末棚卸高が160,000円の過大表示となっています。

よって、この差額を調整する(⇒真実の数値=実際に発生した金額)ために、製造間接費配賦差異として
売上原価から控除しています。

という感じでどうでしょうか

質問
キタロウさん、こんばんわ。
今、会社から帰ってきました。

キタロウさんのご説明でわかりました。
なぜ、問題集の解法なのかはいまだ疑問ですが・・・。

ちなみに
「2,880,000円発生したこととなって」は
「2,720,000円発生したこととなって」の誤記ですよね!?

ありがとうございました。

回答(キタロウさん)
ぱんださん、こんばんは。

>「2,880,000円発生したこととなって」は
>「2,720,000円発生したこととなって」の誤記ですよね!?
については、誤記ではないのです。

偶然にも、実際配賦した場合の売上原価が2,400,000円となった関係で、これに対応する予定配賦した場合の売上原価2,720,000円と勘違いされているみたいですので、再度、書き込みしますね。

実際発生した2,400,000円はあくまでも製造間接費ですので、製造間接費勘定 ⇒ 仕掛品勘定 ⇒ 製品勘定 ⇒ 売上原価勘定 の順番で金額が流れていきますが、出だしの「製造間接費勘定」の実際発生額ということになります。
これが、予定配賦(2,880,000円)されたことにより、ず−と(原価計算期間:通常は1か月)「480,000円」過大に金額が流れていっていますので、最終的に公表する損益計算書(会計期間:通常は1年間)において、1年分のズレを修正することとなります。


     製 品(予定配賦)
┌───────┬───────┐
│ 直接費分  │       │
│       │ 当期売上原価│   直 接 費分:1,000円/個×1,200個=1,200千円
│  1,200│       │
├───────┤       │   
製造間接費分:2,400円/個×1,200個=2,880千円(A)
│       │       │
│ 製造間接費分│  2,720│
│       │       │
│       ├───────┤
│  2,880│ 期末棚卸高 │
│       │  1,360│
└───────┴───────┘


     製 品(実際配賦)
┌───────┬───────┐
│ 直接費分  │       │
│       │ 当期売上原価│   直 接 費分:1,000円/個×1,200個=1,200千円
│  1,200│  2,400│
├───────┤       │   
製造間接費分:期間総額 2,400千円(B)
│       │       │
│ 製造間接費分├───────┤
│  2,400│ 期末棚卸高 │
│       │  1,200│
└───────┴───────┘

解説にある「@2,400×1,200個(生産量)-2,400,000=480,000円」は上記の(A)−(B)のことになります。

質問

 製 品(予定配賦)
┌───────┬───────┐  完成額の内訳
│ 直接費分  │       │  ~~~~~~~~~~~
│       │ 当期売上原価│   直 接 費分:1,000円/個×1,200個=1,200千円
│  1,200│       │
├───────┤       │   製造間接費分:2,400円/個×1,200個=2,880千円(A)
│       │       │
│ 製造間接費分│  2,720│
│       │       │
│       ├───────┤
│  2,880│ 期末棚卸高 │
│       │  1,360│
└───────┴───────┘


     製 品(実際配賦)
┌───────┬───────┐  完成額の内訳
│ 直接費分  │       │  ~~~~~~~~~~~
│       │ 当期売上原価│   直 接 費分:1,000円/個×1,200個=1,200千円
│  1,200│  2,400│
├───────┤       │   製造間接費分:期間総額 2,400千円(B)
│       │       │
│ 製造間接費分├───────┤
│  2,400│ 期末棚卸高 │
│       │  1,200│
└───────┴───────┘

解説にある「@2,400×1,200個(生産量)-2,400,000=480,000円」は上記の(A)−(B)のことになります。

原価差異は当期売上原価(予定配賦)と当期売上原価(実際配賦)の差額と認識しています。
(A)-(B)ですと、完成品の総額の内数の製造間接費分の差額の気がします。
完成品の総額の内数の製造間接費分が全て当期売上原価になるのならば分かるのですが・・・。

回答(井上ファミリーパパ)
「原価差異は当期売上原価(予定配賦)と当期売上原価(実際配賦)の差額と認識しています。」とありますが、売上原価ではなく製造原価です。製品勘定の貸方に目がいっているようですが、借方を見てみてください。

回答(キタロウさん)
>原価差異は当期売上原価(予定配賦)と当期売上原価(実際配賦)の差額と認識しています。

もし、↑のままでしたら、B/Sに記載される製品の金額はいくらになるのかを考えますと、1,360,000円となってしまいます。
本来、1,200,000円のものを1,360,000円と表示してしまいますので、商業簿記の感覚(意味合いは違いますが)で説明しますと、帳簿上1,360千円のものを実際価格1,200千円に評価替えすることと同じとなり、
(借)商品評価損 160 (貸)繰越商品 160
とし、
そして、売上原価の内訳とするため
(借)仕入 160 (貸)商品評価損 160
という仕訳を行うこととなります。

これを、工業簿記では
(借)製造間接費 480 (貸)製造間接費配賦差異 480
(借)製造間接費配賦差異 480 (貸)売上原価 480
という仕訳を行うこととなります。

お礼
そうですよね、製造原価における差額ですよね・・・。
他の問題ではそのように理解して解いていたつもりなんですが、問題の型にはめて解いている感があり、本質を理解していないのかもしれません。

ありがとうございました。


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