パパの出張簿記講座 2級工簿Q&Aデータベース







分類 「第2章 費目別計算」

【No006】「第92回4問」 

質問者 檸檬さん 質問日 2005/12/14 20:30  回答者 キタロウさん

質問
こんにちは。また分からないところがありましたのでよろしくお願いします。第92回4問の仕掛品勘定の直接労務費を求めるところなのですが、ここで当月支払額8,700千円−月初未払額2,700千円+月末未払高1,800千円=7,800千円となっています。ところが直接材料費を求めるためには、月初有高500千円+当月仕入高12,000千円−月末有高300千円=12,200千円となっています。ということは直接労務費も月初未払額2,700千円+当月支払額8,700千円−月末未払高1,800千円=9600千円になるのではないでしょうか。

回答
檸檬さん、こんばんは。

材料の消費高は3級で学習された売上原価の計算と同じです。
労務費の消費高は3級で学習された支払家賃などの費用の見越しと同じです。
というヒントでもう一度「取引の流れ」を意識しながら再度考えてみてください。
取引の流れとは、
期末に未払計上する時の仕訳 ⇒ 翌期首の再振替仕訳 ⇒ 実際に支払った時の仕訳 です。
もし、理解できなければ再度質問してくださいね。

質問
キタロウさん、ご返答頂きましてどうもありがとうございます。キタロウさんは、
>労務費の消費高は3級で学習された支払家賃などの費用の見越しと同じです。、というヒントでもう一度「取引の流れ」を意識しながら再度考えてみてください。
>取引の流れとは、
>期末に未払計上する時の仕訳 ⇒ 翌期首の再振替仕訳 ⇒ 実際に支払った時の仕訳 です。

とおっしゃっていますが、費用の見越しがどのようにこの問題と関係しているのでしょうか。誠に申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

回答
檸檬さん、こんばんは。
3級で学習した支払家賃の見越しで説明させて頂きます。

1.前期末の決算で支払家賃の未払いが100,000円あった。
  (借)支払家賃 100,000 (貸)未払家賃 100,000

2.当期首において再振替仕訳を行った。
  (借)未払家賃 100,000 (貸)支払家賃 100,000

 ⇒ この段階の支払家賃勘定の状態は
             支 払 家 賃
   ─────────────┬────────────┐
                │未払家賃 100,000│
                ├────────────┘
                │

3.当期に家賃500,000円を現金で支払った。
  (借)支払家賃 500,000 (貸)現金 500,000

 ⇒ この段階の支払家賃勘定の状態は
             支 払 家 賃
   ┌────────────┬────────────┐
   │            │未払家賃 100,000│
   │            ├────────────┘
   │現  金 500,000│
   │            │
   │            │
   └────────────┘

4.当期末の決算において家賃200,000円が未払いであった。
  (借)支払家賃 200,000 (貸)未払家賃 200,000

 ⇒ この段階の支払家賃勘定の状態は
             支 払 家 賃
   ┌────────────┬────────────┐
   │            │未払家賃 100,000│
   │            ├────────────┘┳
   │現  金 500,000│             ┃
   │            │             ┃
   │            │             ┣━⇒損益勘定へ
   ├────────────┤             ┃  (600,000円)
   │未払家賃        │             ┃
   │     200,000│             ┃
   └────────────┘             ┻

上記の流れは理解できますか?

今回の質問で、上記2.が「月初未払額」、上記3.が「当月支払額」、上記4.が「月末未払額」となります。
また、上記の例題の「支払家賃」を「直接労務費」に、「損益」を「仕掛品」に置き換えてください。
上記例題の損益勘定へ振替える金額は、500,000円+200,000円−100,000円=600,000円と求めています。

従って、当月支払額+月末未払額−月初未払額という算式で仕掛品勘定へ振替える直接労務費を計算することになります。

という感じで如何でしょうか?

工業簿記という言葉を余り意識しすぎるとこれまでに理解できている内容も見えなくなってしまう危険性があります。
商業簿記も工業簿記も同じ「簿記」ですので、見越し(未払・未収)・繰延べ(前払・前受)の扱いは同じですよ。

何故、労務費に未払が発生するのかという点について補足させて頂きます。

賃金計算期間 ──────┼────────┼────────┼───・・・・・
             △        △        △
            支 払      支 払      支 払

原価計算期間 ┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━╋━━━━━━━━╋・・・・・

             ・←→・     ・←→・     ・←→・
              未払       未払       未払

通常、賃金の計算期間と原価計算期間にズレがあるため、当該原価計算期間に発生した金額(原価)を確定させる必要から未払が発生します。

お礼
キタロウさん、とても丁寧に解説して頂きましてどうもありがとうございました。おかげさまで理解することができました。これからもよろしくお願いします。


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