<前頁><目次><次頁>
| 第7章 債権・債務 |
| T 売掛金と買掛金 |
| 1 売掛金、買掛金と人名勘定 |
|
(1) 売掛金と買掛金
売掛金は、売上代金の未回収高で得意先に対する債権、買掛金は仕入代金の未払高で仕入先に対する債務です。
(2) 人名勘定
通常、企業には複数の得意先、仕入先があります。仮に甲商店、乙商店、丙商店の3件の得意先があったとします。売掛金勘定には、3件の売掛金の増減が日付順に記入されますので、
個々の得意先の売掛金の残高を確認したい場合、その得意先の取引の部分を元帳から抜き出して計算しなければならないので、非合理的です。
このような場合、売掛金の勘定口座の代わりに、甲商店、乙商店、丙商店といように得意先の企業名を勘定科目にして、売掛金を処理する方法を採用することが出来ます。この方法を採用すれば総勘定元帳上で、得意先ごとの売掛金の残高を確認することが出来ます。同様に買掛金についても仕入先の商店名を勘定科目として使用することによって仕入先ごとに買掛金の残高を確認することが出来ます。この勘定を人名勘定といいます。
人名勘定は、そのままB/Sに記載することは出来ませんので、得意先の人名勘定の残高の合計額を売掛金、仕入先の人名勘定の残高の合計額を買掛金としてB/Sに記載します。
[例題]人名勘定を使って仕訳しなさい。
3月4日 甲商店に商品30,000円を掛売りした。
3月7日 3月4日に甲商店に掛売りした商品の一部が破損していたため3,000円の値引きをした。
3月9日 乙商店に商品20,000円を掛売りした。
3月24日 甲商店から売掛金17,000円を現金で受け取った。
[解答]
3/4 (借方) 甲商店 30,000 (貸方) 売 上 30,000
3/7 (借方) 売 上 3,000 (貸方) 甲商店 3,000
3/9 (借方) 乙商店 20,000 (貸方) 売 上 20,000
3/24 (借方) 現 金 17,000 (貸方) 甲商店 17,000 |
2 得意先元帳・仕入先元帳 |
|
人名勘定を使用した場合、取引先が多くなると売掛金・買掛金の総額を算出するのに、手数がかかり非合理的になります。また、A商品は甲商店から仕入れているが、B商品は甲商店へ販売しているといった場合、資産と負債が同じ勘定科目になってしまい紛らわしくなります。そこで総勘定元帳には売掛金・買掛金の勘定を使い、人名別の口座は得意先元帳(または売掛金元帳)、仕入先元帳(または買掛金元帳)という補助簿に記録する方法を使うと合理的になります。この方法だと総勘定元帳と補助簿の双方に記録しなければならないので、記帳の段階では手数は増えますが、取引先ごとに掛取引の管理を行なうと同時に総額での管理も出来ます。 |
|
(1) 得意先元帳
[例題]
上記の取引を得意先元帳に記入しなさい。
3/4 (借方) 売掛金 30,000 (貸方) 売 上 30,000
3/7 (借方) 売 上 3,000 (貸方) 売掛金 3,000
3/9 (借方) 売掛金 20,000 (貸方) 売 上 20,000
3/24 (借方) 現 金 17,000 (貸方) 売掛金 17,000 |
|
[解答] |
|

|
|
|
|
(2) 仕入先元帳
様式は、得意先元帳と同じ |
|
(3) 売掛金明細書と買掛金明細書
第95回検定試験(平成12年6月)に出題されました。
売掛金元帳及び買掛金元帳の業者ごとの残高を合計し、総勘定元帳の売掛金勘定及び買掛金勘定の残高と一致するか検証することによって、売掛金元帳及び買掛金元帳の記帳に誤りがないか確認することが出来ます。出題された様式は次のとおりです。 |
|
 |
|