<前頁><目次><次頁>
| ・・第6章 資本金・・ |
| T 出資(元入れ) |
|
1 個人企業の出資金
日商簿記3級の出題範囲は、個人企業の簿記です。1ページの「簿記の流れ」の中で、個人企業も法人も同じルールの下に簿記は行なわれていると記載しました。今まで解説してきた勘定科目は、規模の大小や業種、採用した簿記の処理方法の違い等によって使う勘定科目の違いはありますが、基本的には個人企業でも会社でもまったく同じ勘定科目名が使われます。
しかし資本金勘定に関しては、同じ勘定科目名でも違いがあります。会社の場合、出資者からの出資額を資本金勘定で処理し、決算でP/Lで計算される増殖分(当期利益)とは、明確に区分しますが、個人企業では、その会計年度だけは区分してB/Sに記載しますが、それ以降は資本金勘定に含まれます。
会社では、資本金何万円といったように、資本金勘定は出資者からの出資額を意味しますが、個人企業の場合、出資額、増殖額、引出額の総てを資本金勘定で処理しますので、貸方と借方の差額、つまり正味財産を意味します。
2 出資(元入れ)
個人企業は、店主(企業主)が、現金や物品を企業用財産として出資(元入れ)して開業します。この出資額は資本金勘定で処理します。開業後の追加出資(追加元入れ)も同様です。
[例題]
3月23日 現金100,000円と備品200,000円を元入れして、A商店(個人企業)を開業した。
[解答]
3/23 (借方) 現 金 100,000 (貸方) 資本金 300,000
備 品 200,000
[例題]
6月15日 現金100,000円を追加元入れした。
[解答]
6/15 (借方) 現 金 100,000 (貸方) 資本金 100,000 |
U引き出し
|
|
店主(企業主)が、生活費など私的に企業の現金や商品などを使用することを引出しといいます。期間中の引出高は資本金勘定又は引出金勘定の借方に記入します。引出金勘定を使用した場合、決算修正で引出金残高を資本金勘定に振替えます。
[例題]
7月4日 店主に本月分の生活費100,000円を現金で支払った。
[解答]
7/4 (借方) 資本金 100,000 (貸方) 現 金 100,000
又は
7/4 (借方) 引出金 100,000 (貸方) 現 金 100,000
[例題] 次の取引の仕訳をしなさい。ただし、引出金勘定を使用すること。
3月3日 店主が使用の目的で、現金30,000円と商品20,000円(原価)を使った。
3月4日 建物の火災保険料30000円を現金で支払った。ただし、そのうち3分の2は住宅部分に対する保険料である。
3月31日 決算に際し、3月3日と4日の引出金を整理した。
[解答]
3/3 (借方) 引出金 50,000 (貸方) 現 金
30,000
仕 入 20,000
3/4 (借方) 引出金 20,000 (貸方) 現 金
30,000
保険料 10,000
3/31 (借方) 資本金 70,000 (貸方) 引出金
70,000 |
V 個人企業の税金
|
|
個人企業の場合、所得税、住民税(都税、道動府県・市民税)、事業税、固定資産税、自動車税、印紙税などがかかります。
このうち、所得税と住民税の納税額は、所得税法で必要経費(費用)と、認められないので、事業主個人が支払うべきものです。企業の現金で支払った場合は、引出金として取り扱います。
その他の税金については、必要経費(費用)みとめられるので、支払額は租税公課勘定(費用)の借方に記入します。
[例題] 次の取引の仕訳をしなさい。ただし、引出金勘定を使用すること。
6月27日 店主の本年度の県・市民税50,000円を、店の現金で納付した。
7月20日 本年度の事業税90,000円を現金で支払った。
8月13日 手形・領収書等にはるため、収入印紙5,000円を現金で購入した
[解答]
6/27 (借方) 引出金 50,000 (貸方) 現 金 50,000
7/20 (借方) 租税公課 90,000 (貸方) 現 金 90,000
8/13 (借方) 租税公課 5,000 (貸方) 現 金 5,000 |
|