パパの出張簿記講座 日商簿記3級無料テキスト







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U 小口現金

1 小口現金とは
 企業では、通貨の受渡し、計算の手数、盗難等の危険の回避のため、銀行の当座預金勘定を利用して、大口の収支は小切手で行い、日常の小額の支払いのための、最小限の現金を手許保有しています。
 日々の小額で頻度の多い支払いを、その都度、仕訳をするのは非合理的です。そこで小口の資金を小口現金の出納にあたる係(小払係、用土係など)に一定の額を前渡し、報告を受けたときに一括して仕訳をする処理方法をとります。この処理方法を採用し、前渡した現金を記録するのが小口現金勘定です。期中の小口現金勘定の残高は未清算の小口現金を意味します。
 決算時には、精算をし残金は現金勘定に含めてB/Sに計上します。
2 小口現金の仕訳
 


 小口現金の前渡  
支払明細の報告 
 小口現金の補充



o日常の小額の支払い o

一括して仕訳 小口現金出納帳に記録
(1) 「小口現金の前渡」したときの仕訳
  5月1日 小払資金として現金2,000円の小切手を振出して小払係に渡した。
  5/1 (借方) 小口現金 2,000  (貸方) 当座預金 2,000
(2) 日常の小額の支払いをしたとき
  仕訳なし 小口現金出納帳に記録
  小口現金出納帳の記帳方法は現金出納帳と同様
(3) 「支払明細の報告」を受けたときの仕訳
  5月31日 小払係から下記の支払い報告を受けた。
   旅費交通費 500円  通信費 300円
   消耗品費  600円   雑費  200円  
  5/31 (借方)旅費交通費 500  (貸方) 小口現金 1600 
           消耗品費  600
           通信費    300
           雑費      200
(4) 「小口現金の補充」したときの仕訳
  6月1日 支払額を小切手で補充した。
  6/1 (借方) 小口現金 1,600  (貸方) 当座預金 1,600
(5) 報告を受け、その日に小口現金を補充した場合
 上記(3)の例で、5月31日に補充した場合
  5/31 (借方) 旅費交通費 500  (貸方) 当座預金 1600 
            消耗品費  600
            通信費    300
            雑費      200

V 現金過不足

1 現金過不足の処理
 現金が計算の間違い、取引の記帳漏れ等により帳簿残高と合わない場合、帳簿残高を実際の現金残高にあわせておくことになります。実際の現金残高と帳簿残高を照合した時点で誤りが判明すれば、その時点で訂正できますが、照合した時点で判明しない場合は、現金過不足勘定を使って帳簿残高を実際の現金残高に合わせておき、引き続き調査することになります。
 原因が判明しない場合、過剰額は雑収入に、不足額は雑損失に振り替えます。
2 現金が不足のとき
[例題]次の取引の仕訳をしなさい。
 12月19日 現金残高を照合したところ、5,000円不足していた。原因を調査したが判明しなかった。
 12月26日 12月19日の現金の不足について、5,000円のうち3,500円は12月3日に支払った消耗品の購入代金の記帳漏れであることが判明した。
 12月31日 決算日になっても、1,500円の不足原因は不明である。
[解答]
12/19 (借方)現金過不足 5,000 (貸方) 現     金 5,000
12/26 (借方)消耗品費   3,500 (貸方) 現金過不足 3,500
12/31 (借方)雑損失    1,500 (貸方) 現金過不足 1,500
[解説]
(1) 金銭出納帳で考えてみてください。仮に調査の時点で帳簿の残高欄が20,000円だったとすると、残高欄を実際の現金残高の15000円(20,000円−5,000円)にすれば帳簿残高と実際の現金残高が一致します。現金出納帳の支出欄に5,000円を記入して摘要欄に現金過不足と記載することになります。支出欄に記帳するため、現金を減らす仕訳をします。
(2) 現金過不足勘定は、期末の時点で残高をゼロにします。不足額を振替えるのは「雑損失」です。「雑費」と間違わないように注意してください。
3 現金が過剰のとき
[例題]次の取引の仕訳をしなさい。
 12月19日 現金残高を照合したところ、5,000円過剰であった。原因を調査したが判明しなかった。
 12月26日 12月19日の現金の過剰について、5,000円のうち3,500円は12月3日の現金売上5,000円を誤って1,500円と記帳していたことが判明した。
 12月31日 決算日になっても、1,500円の過剰原因は不明である。
[解答]
12/19 (借方)現  金 5,000 (貸方) 現金過不足 5,000
12/26 (借方)現金過不足  3,500 (貸方) 売 上 3,500
12/31 (借方)現金過不足  1,500 (貸方) 雑収入 1,500
[解説]
 金銭出納帳で考えてみてください。仮に調査の時点で帳簿の残高欄が20,000円だったとすると、残高欄を実際の現金残高の25000円(20,000円+5,000円)にすれば帳簿残高と実際の現金残高が一致します。現金出納帳の入金欄に5,000円を記入して摘要欄に現金過不足と記載することになります。入金欄に記帳するため、現金を増やす仕訳をします。
解答のポイント
現金過不足の問題では、「現金残高がX,XXX円不足(過剰)であった。」という出題分と「現金残高はX,XXX円であった」という出題分の2つのパターンがあります。慣れないうちは貸借を間違いやすいです。まず、現金出納帳をあたまにうかべ、実際残高にあわせるのには入金欄に記入するのか、出金欄に記入するのか考えて仕訳をしてみて下さい。


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